留学生の日本企業への就職事情
外国人労働者の市場
日本において外国人が働くには在留資格が必要ですが、在留資格の中の留学生について法務省の入管局より「平成29年度における留学生の日本企業への就職事情」が発表されたので見てみます。
留学生の日本企業への就職実態としては「留学」等の在留資格から日本国内企業への就職を目的とした在留資格の変更は22,419人が許可されています(前年比15.4%増)。主な国籍、地域は約半数が中国で10,326人(46.1%)、次いでベトナム、ネパール、韓国、台湾となっています。アジアだけでも全体の95.5%を占めています。
仕事の内容や就職先
就職先の業種は非製造業が81.0%、製造業が19%で、非製造業では商業(貿易)(9.5%)及びコンピューター関連サービス(7.7%)が上位を占めており、製造業では一般機械及び電機(ともに3.1%)が上位を占めています。
職務内容は翻訳・通訳が最も多く23.8%、販売・営業(14.1%)、海外業務(9.5%)、技術開発(情報処理)(6.3%)となっています。
月額給与は20万円~25万円未満が47.3%で最も多く、次が20万円未満(34.6%)、25万円~30万円未満(10.3%)の順になっています。
就職先の企業の資本金は最も多いのが500万円超1,000万円以下の企業等で4,282人(19.1%)、また500万円以下の企業への就職が4,077人(18.2%)、過半数は資本金3,000万円以下の企業に就職しています。
就職先の企業等の従業員数については従業員数50人未満の企業等に就職した者が8,275人(36.9%)と最も多く、これも含めて100人未満の企業への就職数が10,356人と全体の約半数を占めています。
就職先の所在地は、東京都が9,915人(44.2%)と多く大阪府2,228人(9.9%)、神奈川県1,278人(5.7%)と続きます。
出入国管理法改正で外国人雇用は活発化
留学生は母国では大学卒以上の方が約70%、専修学校卒も21.7%おり、日本企業に就職する人は5年前の2倍に増えています。新年度から新しい在留資格もできるので、今後ますます外国人の雇用市場は活発になる事が予想されます。